
ネイチャーポジティブは、2022年12月にカナダのモントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)に向けて注目されるようになってきた言葉で、自然が失われることを防ごうというのではなく、自然環境をポジティブな状態に移行させようという考え方である。2010年に名古屋で開催されたCOP10では、生物多様性の減少速度を2020年までに顕著に下げることが目標とされたがこれは達成されなかった。地球上の生物多様性が危機的な状況にある中で、ネガティブからポジティブに転換させようということである。加えて、気候変動対策と生物多様性保全は表裏一体の地球環境問題であるため、カーボンニュートラルとネイチャーポジティブを両立させる必要がある。本アカデミックプロジェクトでは、このネイチャーポジティブの実現を議論する。