
本科目では公開鍵暗号を用いてモノのインターネット(IoT)のデータを保護する方法を学び,実際に実装する方法について習得する.
サイバーセキュリティの基礎である暗号には共通鍵暗号および公開鍵暗号の二種類がある.前者では各参加者は一つ以上の秘密鍵を事前に共有していることが仮定するので,
n端末のネットワークではn^2個の鍵を管理する必要があり,IoTへの応用では現実的
でない.一方,公開鍵暗号は,n端末のセキュアネットワークを1個の鍵で実現し,理論的に魅力的な解決方法を提供する.しかし,多くのIoT機器は計算・メモリ・通信能力が非常に限られおり,公開鍵暗号を利用することが容易ではない.さらに,多数のIoT機器を用いた攻撃も考えられる.
本PBL演習ではデータを保護する公開鍵暗号の実現方法から暗号解読手法まで,
理論的なアルゴリズム習得から,実際に実装する手法まで習得することを目的とする.
公開鍵暗号及びその解読手法を実装することで,暗号及び解読にかかる時間を実感する
ことで,より深い理解を促すことを目的とする.