ミッション・エンジニアリングを理解する
科学技術と戦略的意思決定
各国の国家安全保障や軍事戦略は、さまざまな装備品システムによって裏付けられ、それらを生み出す生産基盤と技術基盤によって支えられている。そのため、国家安全保障や軍事戦略を理解するうえで、装備品の基本的な機能・性能や、それを可能にする科学技術の進歩を考慮することは有益である。
ミッションエンジニアリング(ME)は、ミッションの成功に焦点を当てた組織変革を含むアプローチであり、望ましい効果を達成するために、現行の運用能力やシステム能力、新たな運用能力やシステム能力を計画、分析、整理、統合する手法である。
MEの成果は、さまざまな用途に用いられる。例えば、部隊全体の統合や相互運用性の問題への対応、新たな装備品システムへの要求事項の明確化や、取得、研究、開発に関する意思決定に反映されるとともに、定性的分析から定量的分析への早期移行を可能にする。
MEを応用することで、技術的な観点から、どのような制約が存在し、何が可能であり、何が困難であるといった初期的な洞察を得ることも期待できる。
本プロジェクトでは、米国防総省が2023年10月に公表した「ミッション・エンジニアリング・ガイド(第2版)」に沿って、MEのプロセスと効果について総合的に理解を深めることを目指す。具体的には、MEガイドに沿って、分析対象を特定したうえで、各国の軍や研究機関等で使われている戦力レベルのシミュレータの市販版である Command: Modern Operations(CMO)等のツールを用い、独自のシナリオの作成および初期段階の分析評価に取り組む。