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トランスカルチャー論(transculturalism)とは何か。似たような概念として、多文化主義(multiculturalism)や間文化主義(interculturalism)がある。しかし、それらのいずれとも違う第三の可能性を指し示すものとして、本講義ではトランスカルチャーという考えに着目し、その射程と可能性を探る。
トランスカルチャー論は、多文化性の公的承認によって各文化コミュニティの維持と共存を目指すことにとどまらない。また、文化上のマジョリティとマイノリティの間のコミュニケーションと歩み寄りを保ちつつ、エスニック文化の多様性と共通文化の統合性との確保を中心のテーマとするわけでもない。
本講義が対象とするトランスカルチャー論がまずもって着目するのは、複数の文化を越境する個人とその主体的経験が有する意味である。異文化の存在を知り、未知なる他者と出会うことは、今日のグローバル化した世界では、各人において程度の差こそあれ、平凡な経験とすら呼べるものになりつつある。トランスカルチャーの経験はむしろ、複数の文化を外側から見聞するのではなく、それらを同時に内側から生き抜くことによって、個人が自らのアイデンティティを問い直さざるをえないような状況を生み出す。いわば、一つ以上の文化コミュニティに言語を通して深く根付くという経験を持つからこそ、それらのいずれへの帰属によっても自らが完全には定義されえないという意識を個人が抱くのである。この意味において、「文化横断」(transculturation)とは、「新しいコードを獲得しはするが、それにともなって以前のコードを失ったわけではない状態」(T.トドロフ)にほかならない。文化の共同体的側面を安易に捨象する平板なコスモポリタニズムでもなく、まばゆい文化的多様性への無条件的な礼賛でもないトランスカルチャーは、この世界における人間のあり方として、独自の領域と考察対象をなす。この文化横断が人間主体に対して持つ意味を、本講義は特に人文学の観点から探究する。
国家が提供するサービスはどこまで市民生活の安全を支えることができるのか?本科目では、公共のサービスを提供する国家の役割を精査することで「人間の安全保障」(あるいはその欠如)を検討し、合わせてその限界が生み出すリスクを明らかにする。
公共のサービスを提供する国家(あるいはその権威の許で機能する政府)とそのコスト(税金など)を負担する市民は一定の契約関係にあると考えてよいが、この契約範囲の大小によっては国家は夜景国家とも福祉国家とも呼ばれる。この契約関係を前提として市民が営む「日常」とはどのようなものなのか?この契約を前提としても、国家の政策が市民全体で享受できるものであるとは限らないし、それどころか全く不十分である場合も多い。さらに、そうした政策は市民の自立性を犠牲にしてしまう場合も十分に考えられるし、そうした例も数多い。
この科目では上記のような疑問、課題をヘルス、治安、教育などの分野でのケースを複数の国の例を取り上げながら検討してゆく。
Computers and artifacts around us are getting complicated, and human-computer interface technologies for those machines are becoming very important. When a user feels that a system is too complicated and difficult to use, it is usually not because the user is not trained enough, but the human interface of the system is not well-designed.
In this lecture, we learn various aspects of human-computer interaction and discover how we can design user-friendly systems. We first learn the basic concepts of human-computer interface, and view the usability issues from the viewpoint of cognitive science. We learn the difference between a good interface design and a bad one by investigating many existing systems. We learn various new technologies for improving user experiences, and finally we'll get the whole knowledge for designing better interactive systems.
(This class will be taught on-line. Students are required to actively participate with their cameras on.)
This postgraduate HC program course focuses on the interrelationships between language and society. Emphasising the linguistic-social-cultural diversity and the accompanying issues of language inequality, we will focus on linguistic policy, language education, heritage language, indigenous language, oral narratives, language revitalisation, among others, to explore the intersecting realms of multilingualism and multiculturalism. We will approach these research areas from the disciplinary bases of sociolinguistics and linguistic anthropology, especially the critical theory strand within these disciplines. There will be a core reading assigned with accompanying reference materials, and the course will consist of reading seminars of the core text, followed by student research presentations around the topics covered in the reading material.
(この授業はオンラインで行います。受講する学生はカメラをオンにして積極的に参加することが必要になります。)
この大学院HCプログラム科目においては、言語と社会のかかわりにおいて、特に多様性とそこで生じる言語不平等の問題を重視しつつ、言語政策、言語教育、継承言語、先住民言語、口承文学、言語復興などの側面から、多言語主義と多文化主義の交差する問題領域を探求します。社会言語学や言語人類学からのアプローチを土台とし、批判理論(クリティカル・セオリー)にもとづくアプローチを重視します。具体的には、特定の主題の下に、輪読文献と関連参考文献を設定し、輪読と担当教員らによる解説をベースに議論を行い、そこで学んだ内容を元に学生自らが関連テーマでリサーチをし、発表をします。
ITの飛躍的な発展によって、21世紀の学習は「学習環境論」という新しい研究分野を生み出した。そして現在COVID-19の影響下、我々の日常生活を含めた教育環境全体の大きな構造変化が起こりつつある。教室内でのフォーマルラーニングと教室外でのインフォーマルラーニングが連動して自律学習環境を構築する従来の学習環境構造は、今や大きな転換期の途上にあるといえよう。「学習環境論」は、認知科学、脳科学、文化・コミュニケーションなどさまざまな専門分野との接点を持っている。またグローバリゼーションと教育、一貫教育・個別自律学習、状況学習など、新しい視点での教育・学習研究が進む中、「環境デザイン」という視点でも重要度を増している。本講義では、この重大な転換期に向けて、教育に携わる人々とテクノロジーを提供する人々とのコラボレーション、学習者のニーズへの洞察、新しい学習スタイルに効果的なコンテンツの開発、また新たな学習スタイルへの認識など、幅広い知識と実践力を備えた人材を育てることを目的に、教員4名がそれぞれのフィールドにおける研究を踏まえてIT利用の学習環境を論じ、学生による学習環境への斬新な提案を求める。理論と実践を通して新しい学習環境構築に創造力を発揮してもらいたい。
無線通信はスマートフォンに代表されるキャリアによる5G, 4Gなどの移動通信のみならず、WiFiやBLEなど自営ネットワークや、スマートグリッドや自営LTEなど様々な通信に用いられており、技術やビジネスがダイナミックに変化しています。こうした動向をしっかり理解し、適切に使いこなすためには、無線通信技術はもちろん、電波法令や国際標準化についても理解することが大切です。本授業では、情報理論の基礎、周波数信号、変復調、電波伝搬、信号処理、多元接続などデジタル無線通信の基礎技術を理解し、5G,4Gにおけるネットワーク技術や、MIMO・適応変復調などの高速無線通信について内容と動向を把握するとともに、これらの技術的進展と並行して行われている電波法令や国際標準の役割や重要性について学びます。
高度情報技術の発達により,時空間スケールが詳細で高精度な空間情報が活用できるようになった.都市計画,環境科学やエリアマーケティング分野では,これらのデータを活用し,空間現象のモデル化と現象解明を行うことにより,個別主体へのきめ細かい計画立案・実施が要請されている.特に近年では,地球統計学や空間計量経済学と呼ばれる新しい学問分野が形成されつつあり,その環境科学や人文・社会科学への適用に関心が払われている.
本科目では,講義・演習を通じて,より高度な空間モデリング技法を習得してもらう.履修者は,各自の関心に応じて,社会経済データ(人口,地価など)または環境関連データ(大気汚染観測値など)を選んで演習を行う予定である.
中国語インテンシブ1は、発音、初級文法、初級会話、中国語の読み書きの練習等を通じて、総合的な中国語の習得を目指しています。中国語を使用できる環境に関わろうとする人には必須の科目です。ネイティブと日本人のチームでクラスを担当し、着実に聞き取り力・発話力をつけるために、独自の教授法を展開します。授業は基本オンラインで行われますが、最終試験だけは、流行状況の大幅改善を前提に、オンキャンパスで実施する可能性もあります。
インテンシブ中国語3は、これまでインテンシブ1と2で学んだ表現法を生かし、初級から中級レベルへの中国語能力のアップを目指しています。
この授業を履修することによって、中国語での正確でスムーズなコミュニケーション能力を身につけてもらいたい。教材はインテン1期・2期或いはベーシック1期・2期で用いた『インテンシブ中国語-集中型中国語講座』を継続して用いる。
※授業は基本オンラインで行われますが、最終試験だけは、流行状況の大幅改善を前提に、オンキャンパスで実施する可能性もあります。
インテンシブ中国語3は、これまでインテンシブ1と2で学んだ表現法を生かし、初級から中級レベルへの中国語能力のアップを目指しています。
この授業を履修することによって、中国語での正確でスムーズなコミュニケーション能力を身につけてもらいたい。教材はインテン1期・2期或いはベーシック1期・2期で用いた『インテンシブ中国語-集中型中国語講座』を継続して用いる。
※授業は基本オンラインで行われますが、最終試験だけは、流行状況の大幅改善を前提に、オンキャンパスで実施する可能性もあります。
この「日本語スキル1A(講義(こうぎ)の受け方)」は、留学生・帰国生が対象です。 このクラスでは、講義を受けるために必要なスキルを学びます。具体的には、10分程度(ていど)の短い講義ビデオを見ながら講義の聞き方やノートの取り方を学んだり、自分が興味(きょうみ)がある授業のシラバスを読みながら語彙(ごい)や表現(ひょうげん)を学んだりします。また、短いプレゼンテーションをしたり、レポートの作成(さくせい)を行ったりもします。授業の後半では、今受けている、あるいは今後受ける予定の講義科目(こうぎかもく)の内容(ないよう)について相談したり学習を進めたりします。この講義を通じて、日本語で開講されている講義科目に自信(じしん)を持って主体的(しゅたいてき)に参加できるようになることを目指します。
このクラスは留学生・帰国生を対象とした、アカデミックプレゼンテーションのためのクラスです。プレゼンテーションの基本的な構造、よいプレゼンテーションの条件、口頭発表の準備のしかたなどについて、クラスの中で講義を受けたり議論をしたりしながら学びます。 一般の講義科目やゼミでの発表、卒業論文の発表のための能力を高めたい学生の受講を歓迎します。
この「日本語スキル2B (レポートの書き方: 発展)」は、留学生・帰国生が対象です。 日本語のレポート作成プロセスを学び、論理的な文章を書けるようになることをめざします。
メタボローム解析実習は、(1)分析化学技術、(2)細胞内代謝物質の測定法(代謝物質の抽出法、キャピラリー電気泳動質量分析法(CE-MS)による代謝物質の測定法)(3)メタボロームデータ解析の講義と実習をとおして、メタボローム研究の実際を体系的に理解することを目的としています。最先端のメタボローム測定手法の原理、測定法を学び実試料の細胞中の代謝物質を網羅的に測定し、ダイナミックな代謝変動を解析、考察します。
「腸内細菌が私たちの行動を支配している!?」「太ってしまうのは実は腸内細菌のせいだった!?」
実はこれらは嘘のような本当の話です。私たちのおなか、すなわち腸管内には体を構成する全細胞数と同じくらい、あるいはそれ以上と見積もられている腸内細菌が生息しています。腸内細菌の集団を腸内細菌叢と呼びますが、これらが宿主の腸管神経細胞や内分泌細胞、免疫細胞とクロストークすることで、われわれの体に様々な影響を与えています。本講義では、健康維持・増進に寄与する腸内細菌叢の機能や、ビフィズス菌や乳酸菌などのプロバイオティクスを含むヨーグルトなどの乳製品の機能について概説するとともに、粘膜免疫系の発達における腸内細菌叢の役割や、腸内細菌叢のバランスの乱れがもたらす様々な疾患、それらの適切な制御による疾患予防・治療方法について、最新の知見も交えながら解説します。
ゲノム分子生物学は21世紀の生物学を担う学問の一つである。すなわち、生命科学を専攻する大学生・大学院生にとって必須の学問分野であるといっても過言ではない。本授業(ゲノム分子生物学1)と秋学期のゲノム分子生物学2を履修することで、該当分野の基本的な事象から、最先端の議論にまで触れることになる。授業は教科書「Genome 4」にそって行なわれるが、講師3人がそれぞれ、分子生物学やゲノム研究に従事してきた経験から、より具体的な解説を行なう。特に、ゲノム分子生物学1ではゲノムの構造から塩基配列の決定まで、実験技術に根ざした講義を行なう。
ゲノム分子生物学1で学んだ、ゲノムの構造やそれを解析するための実験手法を基軸にすえながら、ゲノム分子生物学2では、DNA複製、転写、RNAプロセシング等、様々な遺伝子制御機構の詳細やプロテオーム解析研究を解説する。また、ゲノムの変異、組み換えなどの事象を検討し、最終的には系統・進化学的な議論を行なう。この授業も分子生物学やゲノム研究の現場にいる3人の講師が最新の情報などを織り交ぜながら講義する。
生命現象を包括的に理解するためには、ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム情報に加えて、ゲノム情報の最終産物であるメタボローム情報が必要である。メタボロミクスは、細胞の制御機能の解明のみならずシグナル伝達経路、酵素の機能解明、代謝異常かがんなどの機序解明、バイオマーカーの探索などに対して有効な解決策を与えるのではないかと期待されている。本科目では、メタボロミクスを理解するために代謝物質、代謝経路、メタボローム測定技術などを習得し、メタボロミクスを植物やがん研究に応用した例を学ぶ。
・「グローバル・パートナーズ・ネットワーキング」(GRプログラムサティフィケート修得要件科目) ―GRが提携先としている内外の大学、研究機関等を拠点として行うフィールドワーク ・「グローバル・イシュー・プラクティス」(GRプログラムサティフィケート修得要件科目) ―グローバルな政策課題に対して自分なりの政策提言あるいは仮説に基づくフィールドワーク
個人の研究テーマに関連した国内外での実地調査や研究活動(フィールドワーク)あるいは就業体験(インターンシップ)を行い、具体的な成果を挙げることが当科目の目的です。活動前に「研究計画書」等の書類を提出し、研究計画書の内容について書類選考が行われ、選考に通過した者のみ活動の翌学期において履修申告が認められます。申請方法、活動期間などの詳細は塾生の皆様へwebサイトをよく確認してください。 活動は春季・夏季休業期間中に行うものとします。活動前には各自がアドバイザーとして選定した教員より、3時間以上を基準にした事前オリエンテーションを受けることが必要です。活動時間に関しては、フィールドワークの場合は実質45時間以上、インターンシップの場合は実質70時間以上の活動となることが前提です。なお、インターンシップで申請する場合は、各自のアドバイザー教員が実習内容に密に関わっているものであることが前提です。研究テーマと関わりのない活動は申請不可です。 活動実施後は、レポートを提出してください。レポート課題については塾生の皆様へwebサイトで告知しますので、履修申告をした学期は留意しておいてください。
塾生サイト: https://www.students.keio.ac.jp/sfc/gsmg/class/fieldwork/
・「グローバル・パートナーズ・ネットワーキング」(GRプログラムサティフィケート修得要件科目) ―GRが提携先としている内外の大学、研究機関等を拠点として行うフィールドワーク ・「グローバル・イシュー・プラクティス」(GRプログラムサティフィケート修得要件科目) ―グローバルな政策課題に対して自分なりの政策提言あるいは仮説に基づくフィールドワーク
個人の研究テーマに関連した国内外での実地調査や研究活動(フィールドワーク)あるいは就業体験(インターンシップ)を行い、具体的な成果を挙げることが当科目の目的です。活動前に「研究計画書」等の書類を提出し、研究計画書の内容について書類選考が行われ、選考に通過した者のみ活動の翌学期において履修申告が認められます。申請方法、活動期間などの詳細は塾生の皆様へwebサイトをよく確認してください。 活動は春季・夏季休業期間中に行うものとします。活動前には各自がアドバイザーとして選定した教員より、3時間以上を基準にした事前オリエンテーションを受けることが必要です。活動時間に関しては、フィールドワークの場合は実質45時間以上、インターンシップの場合は実質70時間以上の活動となることが前提です。なお、インターンシップで申請する場合は、各自のアドバイザー教員が実習内容に密に関わっているものであることが前提です。研究テーマと関わりのない活動は申請不可です。 活動実施後は、レポートを提出してください。レポート課題については塾生の皆様へwebサイトで告知しますので、履修申告をした学期は留意しておいてください。
塾生サイト: https://www.students.keio.ac.jp/sfc/gsmg/class/fieldwork/
This course aims to understand the structural characters of nucleic acids and proteins. 本科目では、タンパク質や核酸などの生命分子を題材に、生命分子構造に関する基礎的内容を講義する。
This course is jointly conducted with Yonsei University in Seoul, Korea and Fudan University in Shanghai, China, connected simultaneously online.
This course will examine international relations in East Asia. The main objective of this course is to understand the current regional dynamics in East Asia with a specific focus on Japan, Korea, China, and trilateral relations among the three.
NOTE: The theme may slightly be revised after consultation with Yonsei and Fudan.
Students from Yonsei University and Fudan University will participate directly in the class over the Internet.
Course is jointly taught by professors from Keio, Yonsei and Fudan Universities.
This course previously offered a chance for students from Keio, Yonsei and Fudan university to interact together face-to-face. However, amid the spread of Novel Coronavirus, we are unable to do so for this semester.
Instead, we are providing all programs online. There will be 1) individual lectures, 2) joint lectures (Keio-Yonsei-Fudan), 3) students workshops and presentations.
This class aims for enhancing your understanding of contemporary international political economy mainly in Northeast Asia (also expands in East Asia, Asia-Pacific and Indo-Pacific) through examining theories of regionalism/regional integration, policy frameworks and practices.
Region is a dynamic concept. The main objective of this course is to explore dynamic natures of the “region” through learning historical backgrounds, perspective of multi-layered stakeholders (regional organizations, states, private sectors, individuals), and through various issue areas.
Re-mapping the region is the basic approach of this class. Through examining different issue areas and case studies including: 1) trade and investment, 2) comparative politics, 3) security and military, 4) society and culture etc., the class will encourage students to explore, based on your own interests, new approaches to re-construct the region.
近年の脳科学の発展に伴って、人間の脳内における知識処理のメカニズムが明らかになってきた。本講義では、視覚系や聴覚系における外界からの知識の獲得・処理機構、記憶系における知識の保持機構、マルチモーダルな処理機構等の知識処理を脳科学的な視点から学習する。同時に、解剖学的な脳の構造や伝導路を十分に理解し、末梢性・中枢性の錯覚を実際に体験して、現象から知識処理を理解する。
我々人間は知識を学び、その場の状況に臨機応変に対応して知識を活用し、知的に生活を営んでいる.様々な体験からどのように知識を学ぶのか? 知識を使うとはどういう行為か? うまく使えるためには知識をどのように頭の中に蓄えていなければならないのか? “臨機応変に”とは「言うは易し行うは難し」であることは誰でも想像がつく.では、何ができれば“臨機応変に”対応できたと言えるのか? 人工知能とは、上記のような問いに答えるための学問である.
過去半世紀の研究蓄積で多くのことが解明された。また現在、世の中を賑わしている(人工知能第三次ブームの源である)ディープラーニングは、工業的な適用範囲は広い。しかし、知能の臨機応変さについて、柔軟さについては、未だ多くのことが謎のままである.
本講義では、人工知能や認知科学で提起された様々な概念(特にフレーム問題)を紹介し、身近な例題で“知識を表現”するという行為を実践することを通して,知の本質を学び、知能科学が進むべき方向性を議論する.概念の紹介、想定できる問題の列挙、グループ課題の発表、議論を繰り返す形式で授業を行う.