
本特別研究プロジェクトは、「コリアンスタディーズ(朝鮮語圏 地域研究)」の入門科目である。地域研究の視点から韓国やその外延地域を研究しようとする場合、朝鮮語の理解が不可欠であるのは言うまでもない。その一方、朝鮮語の学びがさらに言語自体の研究、すなわち朝鮮語研究に発展する場合もある。本プロジェクトでは、朝鮮語履修者を対象に、朝鮮語を①地域研究に発展させていくパターン、②言語それ自体の研究として発展させていくパターンを具体的に学ぶ。
朝鮮語研究室の専任教員はそれぞれ研究分野が異なるが、研究手段としてまた研究対象として、どのようにして朝鮮語と向き合い日々研究を行っているのか、エピソードを交えながら解説する。大学院生(修士・博士)によるミニ講演も企画されている。
外部から招聘したゲストによる講演としては、①初習者としてSFCで朝鮮語を学び、現在でも朝鮮語を使って社会で活躍をしている卒業生、②SFCで朝鮮語教育を担当した元専任教員、③言語と地域研究を実践する研究者、などが今まで登壇している。
また本プロジェクトでは、近年の韓国社会を描いた数多くの韓国映画から興味深い数本を選んで視聴し、映像を通して現代韓国に対する理解を深める作業を行う。
受講生は本プロジェクトへの参加を通し、韓国社会に対する知的好奇心が高まったところでグループワークを行う。比較的関心分野が近い受講生同士でグループを形成し、調査活動を実施した後、グループ・プレゼンテーションを実施する。全参加者とともにディスカッションを行った後は個人研究レポートを作成し提出する。
一連の作業を通し、受講者が朝鮮語を学ぶ意義や目標を再発見し、更なる研究活動へつながるそれぞれの「道」を発見できることが、私たち講義担当者の願いである。