
「うた」とは何か、「うたう」とは如何なる行為なのか。「うた」の持つ役割や要素等を掘り下げ考察することにより、理論的に又実践的に自分自身と「うた」との距離を見定め、理解を深める。「うた」の考察を通じ、世界に共通する言語である音楽への造詣を深めることにより、創造性を高める。
自己と「うた」の距離・関係性を捉え直す過程を通して、自己を取り巻く環境全体の把握を深化させ、その後の学生生活、そして人生をより感度高く過ごすことが出来るようになることが目的である。捉え直しの過程の体験から、それぞれが自己と環境の関係を把握する自分なりの手法を習得することを目標とする。
あまりに身近であり、かつ他人との認識の相違が問題を起こしにくい「うた」という題材を使って、改めて自分自身が人生の前提としている土台を丁寧に捉え直し、授業内で共有することにより、たくさんの視点を得ること、意見の相違や考え方の違いに対する寛容さを身につけること、自分自身の可能性や特異性を知ること、等を目指す。
ある一面での深い理解が、自分を取り巻く環境の客観的把握と問題意識の構造的理解により高度に抽象化され、他分野での経験や課題の克服に実は直接的につながっていく例(逆向きもある)をあげ、自己と外界、脳と身体を対比させ理解することで、他の個体との協調性実現のためにどうしたら響き合うことができるのか議論する。