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科目名生命進化の特異点

授業概要

学部・研究科
政策・メディア研究科
登録番号
48003
科目ソート
64640
科目名
生命進化の特異点
分野
プログラム科目
単位
2単位
開講年度・学期
2023 春学期
K-Number
GMG-MG-67103-211-48
開講年度・学期
2023 春学期
曜日・時限
金 2限
授業教員名
内藤 泰宏
実施形態
対面
授業で使う言語
日本語
開講場所
SFC, その他
授業形態
※「授業形態」と「能動的学修形式」の対応についてはこちらをご覧ください。
講義, 遠隔あり
GIGAサティフィケート対象
非対象

詳細

講義概要

生命進化には、無数ともいえる特異点(singularities)が存在する。「なぜ遺伝情報の記録媒体はDNAなのか?」といった地球上の全生命を拘束するものから、「ヒトの片手足の指趾の数が多くの場合5なのはなぜか?」といった一部の生物種にのみあてはまるものまで、他のデザインもありえたと考えられるにも関わらず、実際の生物ではたったひとつのデザインに固定されている形質は枚挙に暇がない。
これらの特異点には、まったくの偶然の結果であり、数百万〜数億年前に地球の時計を巻き戻して進化をやり直せば、おそらく異なる結果に到達するものから、何度進化を繰り返しても高確率に同じ形質に到達するものまで、その成立過程には大きな隔たりがあると考えられる。
こうした「偶然の結果」を含む対象を、「偶然の結果」を排除することなく解明しようとする生命科学の姿勢(あるいは使命)は、物理学を中心とする理想化と定式化を旨とする自然科学の王道とは一線を画するものである。
Christian de Duve はこうした形質を singularity と呼び、その成因を議論した。この科目では、生命科学を学ぶ上で重要かつ馴染みの深い特異点を毎回1つずつ取りあげ、その解明に貢献してきた学術論文を検討しつつ、現時点でどう解釈できるかを考える。