防災・地震災害・防災教育・理科教育
災害発生時には多数の負傷者の発生が予測される。東京都は冬の日中に首都直下地震が発生した場合の被害としておよそ8万5千人の死傷者が出ることを想定している。平時においても、全国では年間12万人以上の心肺停止患者が救急搬送されており、年間30万件以上の交通事故によっても傷病者は発生する。誰もが傷病者発生の場面に居合わせる可能性があり、傷病者が生じたその時に最初に対応するのは医療資格を持たない救助者(ファーストレスポンダー)である。
ファーストレスポンダーは、傷病者が発生したことを早期に認知・発見し、的確な救助し要請、適切な観察やファーストエイド処置や安全な場所への搬送、情報伝達の能力などが求められており、医療の専門家が到着するまでの応急手当てにより傷病者の救命率も向上する可能性がある。
本プロジェクトでは、医療資格を持たない救助者が傷病者に遭遇した時の対応と災害医療において行われている傷病者の優先順位の付け方(トリアージ)や多数の傷病者が発生した場合のマネージメントについて学ぶ。その後、地震が発生した場合にどのような状況で受傷するのか、どのような傷病者が発生するかについてグループワークを行い、実動訓練のシナリオを作成することで、地震発生時の状況についての理解を深める。そして作成した実動訓練を実態に対応することで、ファーストレスポンダーとしての自身のあり方について考える。