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新たなテクノロジーと経験のデザイン
テクノロジーを要素とした新しい経験のデザインを行う研究会です。研究分野としてはHCI(Human Computer Interaction)やUI/UX(User Interface/User Experience)と呼ばれる領域です。日々手を動かしながら考えるプロトタイピングを重ねながら、新しい経験を作り出していきましょう。
コピーとオリジナリティ
本研究会では模倣とオリジナリティの問題を扱います。既に完成された古典作品の模倣こそが良き芸術として評価されてきたのに対し、ロマン主義以降には模倣を才能の欠落とみなすような決定的な価値の逆転が生じ、芸術の世界に独自性や新しさが追及されるようになり現代に至ります。また、一方で模倣を用いることによる逆説的な独自性を世に問う芸術も誕生し、模倣をめぐる問題は現代性の追究と非常に関連のあるテーマ(オマージュ、引用、パロディ、剽窃等)にもつながっています。オリジナリティとコピーをめぐる諸問題を考察することは現代の社会・文化を考察することにも関連するでしょう。
まず出発点を明確に共有するために文献の輪読およびディスカッションを行います。参加者は並行して各自で興味のある関連テーマを選び、研究をすすめ、研究発表を行います。
多言語多文化共生社会と日本語
日本社会が言語的文化的な多様性を受け入れる社会に向かうための実践と研究を行う研究会です。言語と文化、越境移動する人々と社会的マジョリティをめぐる諸現象について、批判的に検討し、社会を変えて行くための小さな一歩を見出して実行することを重要視しています。
多言語多文化共生社会と日本語
日本社会が言語的文化的な多様性を受け入れる社会に向かうための実践と研究を行う研究会です。言語と文化、越境移動する人々と社会的マジョリティをめぐる諸現象について、批判的に検討し、社会を変えて行くための小さな一歩を見出して実行することを重要視しています。
コピーとオリジナリティ
本研究会では模倣とオリジナリティの問題を扱います。既に完成された古典作品の模倣こそが良き芸術として評価されてきたのに対し、ロマン主義以降には模倣を才能の欠落とみなすような決定的な価値の逆転が生じ、芸術の世界に独自性や新しさが追及されるようになり現代に至ります。また、一方で模倣を用いることによる逆説的な独自性を世に問う芸術も誕生し、模倣をめぐる問題は現代性の追究と非常に関連のあるテーマ(オマージュ、引用、パロディ、剽窃等)にもつながっています。オリジナリティとコピーをめぐる諸問題を考察することは現代の社会・文化を考察することにも関連するでしょう。
まず出発点を明確に共有するために文献の輪読およびディスカッションを行います。参加者は並行して各自で興味のある関連テーマを選び、研究をすすめ、研究発表を行います。
コピーとオリジナリティ
本研究会では模倣とオリジナリティの問題を扱います。既に完成された古典作品の模倣こそが良き芸術として評価されてきたのに対し、ロマン主義以降には模倣を才能の欠落とみなすような決定的な価値の逆転が生じ、芸術の世界に独自性や新しさが追及されるようになり現代に至ります。また、一方で模倣を用いることによる逆説的な独自性を世に問う芸術も誕生し、模倣をめぐる問題は現代性の追究と非常に関連のあるテーマ(オマージュ、引用、パロディ、剽窃等)にもつながっています。オリジナリティとコピーをめぐる諸問題を考察することは現代の社会・文化を考察することにも関連するでしょう。
まず出発点を明確に共有するために文献の輪読およびディスカッションを行います。参加者は並行して各自で興味のある関連テーマを選び、研究をすすめ、研究発表を行います。
中国語の社会言語学的研究
本研究会では、中国語に社会言語学的角度からアプローチします。社会言語学とは、言語を社会との関係から解明しようとする分野で、研究対象は、身近な言語現象から言語変異、多言語使用、言語継承、言語政策、言語サービスなど、多岐にわたります。
私自身がこれまでに取り組んできた/取り組んでいる研究テーマは、少数民族に対する言語政策、言語評価意識、言語使用意識、女性に対する呼称語の使用意識、長野県における言語サービス、中国語における「断り」のストラテジーなどです。また、社会言語能力の習得は、外国語教育でも重要な話題の一つとなっています。そのため、本研究会では、中国語教育に関する研究も一つの重要な課題として扱います。
本研究会は、以下の流れで運営します。
(1) 自身(あるいはチーム)が取り組むプロジェクトで扱うテーマに関係する文献の講読、批判的分析を行う。
(2) プロジェクトに分かれ、テーマを立案し、仮説を導出する。
(3) 仮説を立証するために有効な調査を企画、実施する。
(4) 調査結果をまとめ、成果を報告する。
以下に、本研究会で扱うプロジェクトの一例を示します。
・中国語の語用論的研究
・近隣の自治体における多言語共生に関する研究
・中国語教育/習得に関する研究
・中国における言語政策に関する研究
・異文化間コミュニケーションに関する研究
中国語の社会言語学的研究
本研究会では、中国語に社会言語学的角度からアプローチします。社会言語学とは、言語を社会との関係から解明しようとする分野で、研究対象は、身近な言語現象から言語変異、多言語使用、言語継承、言語政策、言語サービスなど、多岐にわたります。
私自身がこれまでに取り組んできた/取り組んでいる研究テーマは、少数民族に対する言語政策、言語評価意識、言語使用意識、女性に対する呼称語の使用意識、長野県における言語サービス、中国語における「断り」のストラテジーなどです。また、社会言語能力の習得は、外国語教育でも重要な話題の一つとなっています。そのため、本研究会では、中国語教育に関する研究も一つの重要な課題として扱います。
本研究会は、以下の流れで運営します。
(1) 自身(あるいはチーム)が取り組むプロジェクトで扱うテーマに関係する文献の講読、批判的分析を行う。
(2) プロジェクトに分かれ、テーマを立案し、仮説を導出する。
(3) 仮説を立証するために有効な調査を企画、実施する。
(4) 調査結果をまとめ、成果を報告する。
以下に、本研究会で扱うプロジェクトの一例を示します。
・中国語の語用論的研究
・近隣の自治体における多言語共生に関する研究
・中国語教育/習得に関する研究
・中国における言語政策に関する研究
・異文化間コミュニケーションに関する研究
多言語多文化共生社会と日本語
日本社会が言語的文化的多様性を受け入れる社会に向かうための、実践と研究を行う研究会です。言語と文化、越境移動する人々と社会的マジョリティをめぐる諸現象について、批判的に検討し、社会を変えて行くための小さな一歩を見出して実行することを重要視しています。
多言語多文化共生社会と日本語
日本社会が言語的文化的な多様性を受け入れる社会に向かうための実践と研究を行う研究会です。言語と文化、越境移動する人々と社会的マジョリティをめぐる諸現象について、批判的に検討し、社会を変えて行くための小さな一歩を見出して実行することを重要視しています。
コピーとオリジナリティ
本研究会では模倣とオリジナリティの問題を扱います。既に完成された古典作品の模倣こそが良き芸術として評価されてきたのに対し、ロマン主義以降には模倣を才能の欠落とみなすような決定的な価値の逆転が生じ、芸術の世界に独自性や新しさが追及されるようになり現代に至ります。また、一方で模倣を用いることによる逆説的な独自性を世に問う芸術も誕生し、模倣をめぐる問題は現代性の追究と非常に関連のあるテーマ(オマージュ、引用、パロディ、剽窃等)にもつながっています。オリジナリティとコピーをめぐる諸問題を考察することは現代の社会・文化を考察することにも関連するでしょう。
まず出発点を明確に共有するために文献の輪読およびディスカッションを行います。参加者は並行して各自で興味のある関連テーマを選び、研究をすすめ、研究発表を行います。
コピーとオリジナリティ
本研究会では模倣とオリジナリティの問題を扱います。既に完成された古典作品の模倣こそが良き芸術として評価されてきたのに対し、ロマン主義以降には模倣を才能の欠落とみなすような決定的な価値の逆転が生じ、芸術の世界に独自性や新しさが追及されるようになり現代に至ります。また、一方で模倣を用いることによる逆説的な独自性を世に問う芸術も誕生し、模倣をめぐる問題は現代性の追究と非常に関連のあるテーマ(オマージュ、引用、パロディ、剽窃等)にもつながっています。オリジナリティとコピーをめぐる諸問題を考察することは現代の社会・文化を考察することにも関連するでしょう。
まず出発点を明確に共有するために文献の輪読およびディスカッションを行います。参加者は並行して各自で興味のある関連テーマを選び、研究をすすめ、研究発表を行います。
多言語多文化共生社会と日本語
日本社会が言語的文化的多様性を受け入れる社会に向かうための、実践と研究を行う研究会です。文献を読んで議論を行い、実践と研究の社会背景にかんする理解を深めます。そして、グループプロジェクトを研究会内外で遂行します。
コピーとオリジナリティ
本研究会では模倣とオリジナリティの問題を扱います。既に完成された古典作品の模倣こそが良き芸術として評価されてきたのに対し、ロマン主義以降には模倣を才能の欠落とみなすような決定的な価値の逆転が生じ、芸術の世界に独自性や新しさが追及されるようになり現代に至ります。また、一方で模倣を用いることによる逆説的な独自性を世に問う芸術も誕生し、模倣をめぐる問題は現代性の追究と非常に関連のあるテーマ(オマージュ、引用、パロディ、剽窃等)にもつながっています。オリジナリティとコピーをめぐる諸問題を考察することは現代の社会・文化を考察することにも関連するでしょう。
まず出発点を明確に共有するために文献の輪読およびディスカッションを行います。参加者は並行して各自で興味のある関連テーマを選び、研究をすすめ、研究発表を行います。
デジタル政策とメディア利用
近年のインターネット、携帯電話、IoT、5Gなどの情報通信技術の発達により、情報へのアクセスが容易になり、我々の生活の利便性が向上した。そのような情報通信の社会基盤に大きく関わっているのがデジタル政策である。
この研究会では、5GのユースケースやChatGPT、生成AI、メタバース、自動運転などのような新しいテクノロジーの利活用と普及について関連動向を幅広く取り上げ、議論する。日本、中国、台湾、韓国など各国における情報通信の政策形成過程とメディア産業の諸課題についても理解を深める。研究手法としてはフィールドワーク、事例調査分析、アンケート調査分析、ソーシャルメディアデータ分析を用いる。
デジタル政策とメディア利用
近年のインターネット、携帯電話、IoT、5Gなどの情報通信技術の発達により、情報へのアクセスが容易になり、我々の生活の利便性が向上した。そのような情報通信の社会基盤に大きく関わっているのがデジタル政策である。
この研究会では、5GのユースケースやChatGPT、生成AI,
メタバース、自動運転などのような新しいテクノロジーの利活用と普及について関連動向を幅広く取り上げ、議論する。日本、中国、台湾、韓国など各国における情報通信の政策形成過程とメディア産業の諸課題についても理解を深める。研究手法としてはフィールドワーク、事例調査分析、アンケート調査分析、ソーシャルメディアデータ分析を用いる。上記の分析手法が可能、もしくは習得したい学生の参加も歓迎する。
近代家族を再考する
日本では近年、ワンオペ育児・家事やイクメン、働き方改革といった、家族の生産・再生産機能に関連する諸問題やその解決方法がさかんに議論されています。こういったさまざまな言説が生まれる背景として、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業がいまなお根強く残っていることが挙げられますが、そもそもこの性別役割分業はいつ、どのようにして生まれたのでしょうか。また、この性別役割分業に基づく家族形態を「近代家族」と呼びますが、「近代家族」は制度・政策―社会保険や労働政策、家族政策など―、人々の行動規範や実際の生活にどのような影響を与えたのでしょうか。
本研究会は、少子化やグローバル化といった問題とも絡めながら、これらの問いへの答えを主に歴史学や社会学の分析の方法によってともに探求したいと考えている学生を対象とする研究会です。
地域活動におけるパートナーシップ(実践)
少子高齢化と人口減少に直面している我が国では、地域を支える担い手も不足しています。核家族世帯はこれまでないほどに増加し、手伝ってくれる人がいない中で子育てや介護、ひきこもりや生活困窮、社会的孤立などの課題を抱えている人が増えています。また行政の福祉職は、こうした課題を抱えた人の存在を探そうしても、地域のつながりが希薄化しているため、見つけ出しにくい状況に陥っています。このような状況を少しでも改善するには、地域住民も地域のささえあいの担い手として、主体的に活動してもらうことが求められています。こうした現状については報道等を通じて伝えられていますが、その役割を担うことや、地域活動の運営を体験する機会はなかなかありません。
そこでこの研究会では、SFC周辺地域をはじめとする湘南エリアの中で、住民団体や行政等と連携・協働して、地域のささえあいの担い手役を体験する機会を提供します。この機会を通じて、政策の実践や、地域活動の運営についてその実際を理解し、将来具体的な対策を立案・実践できるようになることを目指します。
ドイツ語圏地域研究
本研究会は、ドイツ語圏の政治や経済、社会、文化、歴史に関心があり、より深く学びたいと考えている学生や、日本が現在直面している諸課題の解決策を模索するためにドイツ語圏の事例からインプリケーションを得たいと考えている学生を対象とした研究会です。
近代家族を再考する
日本では近年、ワンオペ育児・家事やイクメン、働き方改革といった、家族の生産・再生産機能に関連する諸問題やその解決方法がさかんに議論されています。こういったさまざまな言説が生まれる背景として、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業がいまなお根強く残っていることが挙げられますが、そもそもこの性別役割分業はいつ、どのようにして生まれたのでしょうか。また、この性別役割分業に基づく家族形態を「近代家族」と呼びますが、「近代家族」は制度・政策―社会保険や労働政策、家族政策など―、人々の行動規範や実際の生活にどのような影響を与えたのでしょうか。
本研究会は、少子化やグローバル化といった問題とも絡めながら、これらの問いへの答えを主に歴史学や社会学の分析の方法によってともに探求したいと考えている学生を対象とする研究会です。
国際安全保障とグローバルガバナンス
「国際安全保障とグローバルガバナンス」研究会(A型)は日本人学生・留学生による日本語での議論に加えて、GIGA生など英語を用いて研究を行う学生も参加し、バイリンガル環境で研究会を実施します。メインの使用言語は日本語ですが、英語での発表・議論も対応可能といたします。この研究会は基本的には、履修者の研究テーマに関する議論を中心に進めます。進め方としては、(1) リーディング(和文・英文の著作・論文)、(2) グループワーク(上記のテーマに関わる共同研究)、(3) 個人研究発表 を中心に活動をする予定です。また、受講生の皆さんが世界のリーダーの役割を担う「クライシス・シミュレーション」も実施する予定でいます。
本研究会は、研究会B1(近現代中国研究)のサブゼミです。
社会学と歴史学に関する基本文献の輪読と個人研究の発表を中心に行います。
田島英一先生の研究会と合同で行います。
研究会B1(近現代中国研究)との同時履修をおすすめします。
歴史と社会の視点から中国のことを多面的に学びます。歴史の視点については、過去100年にわたる中国の歴史を踏まえて現在の中国が抱えている諸問題がどのように生まれたのか、なぜ生まれたのかなどについてゼミ生と一緒に分析し、中国社会の深層を探ります。社会の視点については、地域社会の特性を踏まえた上で、政治や文化、地域社会に暮らす民衆の生活世界などに視点を置いて考察します。
実施方法としては、輪読文献をめぐる討論を中心に行います。少人数ゼミですので、発表者が疑問に感じたところを中心に、ディスカッションを行いながら、研究視点および関連文献の調査方法について指導します。また、個人研究の発表の時間を設けて、個人研究テーマの選定、データの収集方法、論文の書き方について丁寧に指導します。
なお、火曜日4限のサブゼミは、田島英一研究会と合同で行います。
生活世界から考える公共性
本研究プロジェクトは、以下(1)(2)のいずれかに関する研究に対応しています。
(1)中国研究全般
(2)中国に限らず、市民社会、NGO等の中間組織、宗教に関わる研究
これは、担当教員が中国の宗教系NGO等を研究対象としているためです。なんらかの点で、これらの領域にひっかかると考える方は、お気軽に声をかけてください。
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ここから先は、なぜ担当者がこのような研究をしているのかを、簡単にご紹介しておきます。ひょっとしたら、履修上の参考になるかもしれないので。
A.マッキンタイアという思想家がいます。彼は、近代以降の世界が、道徳的基盤を欠いていると言います。私は、正確に言えば、政治や市場といった制度世界が、道徳的基盤を欠いているのだろうと思っています。近代自由主義は、理性により人間が慣習や信仰の「偏見」から解き放たれ、自由になると考えました。ですから、自由主義が想定する制度世界は、慣習や信仰に縛られず、価値的に中立でなければなりません。ただし、それが偏見であれなんであれ、生活世界における個人の選択にまで、制度世界が介入すべきではないとも主張しました。ですから、米国や日本のような、原則として自由主義的な国家は、制度世界において政教分離を貫くと共に、生活世界では信教や思想の自由を守ります。結果的に、自由主義的な制度世界では、慣習や信仰のもたらす道徳ではなく、貨幣価値がデファクト・スタンダードになります。経済成長と、物質的に豊かな国民生活、そしてそれを脅かさないための治安維持や国防が、最優先業務になります。
ですから、そこに道徳的基盤はありません。実際、「自由主義は、結局功利主義に終わる」と言われても、T.ホッブズみたいな「現実主義者」は、きっと反論しないだろうと思います。一方、「自由主義の掲げる理性からだって道徳は導ける」と頑張っていたのが、古い所ではI.カント、最近だとJ.ロールズとか、J.ハーバーマスですね。ハーバーマスは、生活世界では自由に語られる慣習や信仰の中から、どうやったら理性によって明示的に言語化された道徳を導き、制度世界にまで反映できるか、そのためにどんなコミュニケーションが可能かを、真剣に考えました。例えば彼は、「宗教信仰を持つ者は、信仰とは無関係な理性的表現に翻訳して発信しろ」といった主張をしています。
一方、自由主義を「私」の暴走として否定しつつ登場したのが、民族主義や社会主義といった権威主義システムです。権威主義は、制度世界から慣習や信仰を追い出すのではなく、唯一正しい信仰を、最初から決めてしまいます。民族主義においては、民族が神格化され、その伝統を守り、振興をはかることが、無条件に正義とされます。それ以外の信仰は、この国営正義に従属する形でしか、存在が認められません。社会主義も、階級や革命を神格化しているだけで、あとは一緒です。神格化された何かは、要するに偶像ですね。その偶像のためには、命も差し出すというのが、権威主義の考える「公」です。権威主義を推進する政治勢力、政党は、国営偶像崇拝教団のようなものです。
すると、我々は悲惨な状況にあることになりますね。自由主義にあっては貨幣という偶像に従属し、権威主義にあっては国営偶像に従属しているわけですから。で、マッキンタイアの話に戻りますが、「どこに道徳がある?」という話になります。
個人的には、そこまで悲惨でもないだろうと思っています。ハーバーマス的に考えれば、生活世界には生きた道徳があるのですから。ただし、「それを明示的な言語に変えるコミュニケーション過程なんて、本当にあるのだろうか?」「制度世界に反映させる必要なんて、あるのだろうか?」とも思います。制度世界の貨幣偶像や国営偶像に負けない強さが、生活世界に備わっていれば、我々は抵抗できるし、その抵抗に自由と主体性が宿ると思うのです。例えば、原子力発電所を考えてみてください。「原発反対」を言語化して、国会議事堂の前で叫ぶばかりが抵抗ではありません。国がみなさんの生活世界に、金銭的補償をちらつかせて原発建設の受け入れを打診してきた時に、NOと言えれば、それで十分な抵抗だと思います。NOと言えるのは、我々が日常の中で対話、協働を通して、不断に道徳意識を更新しているからです。宗教社会学者R.ベラーは、そのような道徳意識をinstituteと呼びました。
明示的言語にまで持っていくことにこだわるハーバーマスは、J.デリダの言う「ロゴス中心主義」的傾向があるのかも知れません。H.アレントは、「現われ」を言語的lexisと非言語的praxisに分けていましたが、言葉にすることが、コミュニケーションのすべてではないだろうと思います。instituteは、非言語的な実践の中からでも生まれます。で、私は、中国のようなバリバリの権威主義、ガチの国営偶像を掲げる国で、宗教的実践がどこまで新たなinstituteを生み続けられるのか、という点に注目して、こんな研究をしているわけです。
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これもご参考までに。過去の履修生諸君が書いてくれた卒論の一部です。
領域(1)関連
『中国都市部の業主委員会の勃興と、国家社会関係の変容』
『中国東北工程と中国朝鮮族社会』
『亡命チベット人による諸団体の役割』
『中国における2008年以降の行政改革の進展 -「服務型政府」の建設に着目して-』
領域(2)関連
『長崎平戸地方に残る隠れキリシタンの現代的意味』
『在特会に見る「右傾化」する若者たちの行動動機』
『日本における外国籍労働者ムスリムの社会と、地域の関係』
『横浜ホームレス支援団体の現状と問題点』
『東京都稲城市の里山保存運動をめぐって』
『福島県飯館村被災民による社会ネットワークの再構築』
『被差別部落が取りうる現代社会の様相』
『協働のまちづくりに向けて住民組織が果たした役割』
『多文化社会コーディネーターの必要性』
『オウム真理教教団成立の社会的背景』
『在宅介護における課題を現場から検討する』
『多文化地域社会の中でエスニックメディアが果たす役割の考察と展望』
『「屈辱の日」に込められた沖縄の思い』
『社会企業の役割と問題』
『ミニ・パブリックスに対する議会の意識と態度:東京都三鷹市を事例に』
『被差別部落が取りうる現代社会の様相−鳥取県の被差別部落の実態とその背景』
『協働のまちづくりに向けて住民組織が果たした役割 ―岐阜県不破郡垂井町を事例に―』
以上。
国際安全保障とグローバルガバナンス
「国際安全保障とグローバルガバナンス」研究会(A型)は日本人学生・留学生による日本語での議論に加えて、GIGA生など英語を用いて研究を行う学生も参加し、バイリンガル環境で研究会を実施します。メインの使用言語は日本語ですが、英語での発表・議論も対応可能といたします。この研究会は基本的には、履修者の研究テーマに関する議論を中心に進めます。進め方としては、(1) リーディング(和文・英文の著作・論文)、(2) グループワーク(上記のテーマに関わる共同研究)、(3) 個人研究発表 を中心に活動をする予定です。また、受講生の皆さんが世界のリーダーの役割を担う「クライシス・シミュレーション」も実施する予定でいます。