
14717件見つかりました。
現代アメリカ政治外交に関する文献を精読する。文献は履修者との協議の上、確定する。過去には以下のような文献を精読した。
・Ezra Klien, Why We're Polarized (2020).
候補となる文献は例えば以下のようなもの。
・George Packer, Last Best Hope: America in Crisis and Renewal (2021).
・Mira Rapp-Hooper, Shields of the Republic (2020).
・Abraham Denmark, U.S. Strategy in the Asian Century (2020).
・Colin Dueck, Age of Iron: On Conservative Nationalism (2020).
応用バイオテクノロジー(先端生命科学)
■はじめに:「先端生命科学系列」の8つの研究会(冨田・内藤・黒田・金井・曽我・荒川・鈴木・辻本)は、合同で運営しています。また大学院のプロジェクト科目(先端生命科学)とも合同に運営しているため、学部生、大学院生そして教員が一緒になって研究を進めます。先端生命科学系列研究会の新規履修者は全員まず「研究会B(1) 冨田 勝」を履修してください。
詳しい内容は研究会ホームページをご覧ください。https://bio.sfc.keio.ac.jp/
★研究内容: 世界に先駆けて開発したキャピラリー電気泳動-質量分析計(CE-MS)によるメタボローム測定法を医薬、食品、環境分野の様々な試料に応用し、得られた結果を解析し、生物が営む代謝の理解やメタボロームサイエンスに基づく産業応用を考える。
応用バイオテクノロジー(先端生命科学)
■はじめに:「先端生命科学系列」の8つの研究会(冨田・内藤・黒田・金井・曽我・荒川・鈴木・辻本)は、合同で運営しています。また大学院のプロジェクト科目(先端生命科学)とも合同に運営しているため、学部生、大学院生そして教員が一緒になって研究を進めます。先端生命科学系列研究会の新規履修者は全員まず「研究会B(1) 冨田 勝」を履修してください。
詳しい内容は研究会ホームページをご覧ください。https://bio.sfc.keio.ac.jp/
★研究内容: 世界に先駆けて開発したキャピラリー電気泳動-質量分析計(CE-MS)によるメタボローム測定法を医薬、食品、環境分野の様々な試料に応用し、得られた結果を解析し、生物が営む代謝の理解やメタボロームサイエンスに基づく産業応用を考える。
RNA機能解析(先端生命科学)
「先端生命科学系列」の8つの研究会(冨田・内藤・黒田・金井・曽我・荒川・鈴木・辻本)は 合同で運営しています。また大学院のプロジェクト科目(先端生命科学)とも合同に運営しているため、学部生、大学院生そして教員が一緒になって研究を進めます。先端生命科学系列研究会の新規履修希望者は全員まず「システム生物学入門(先端生命科学):冨田勝担当」を履修してください。
詳しい内容は研究会ホームページをご覧ください。http://bio.sfc.keio.ac.jp/
研究内容:
RNA機能解析研究プロジェクトでは遺伝子の情報発現において要となるRNA分子やその調節に関わる酵素などに焦点をあてながら、遺伝子の新しい制御機構を解析するとともに、生物の発生や進化を考察していきます。実験はウイルス、バクテリア、アーキア(古細菌)、線虫、ショウジョウバエからマウス、ヒトにいたるまでの主要な生物種を対象にしています。
具体的にはRNA分子として、マイクロRNA、tRNA、rRNAなどのnon-coding RNA (非翻訳型のRNA)や、mRNA上にある機能性のRNAドメインについて研究を行なっています。また新規のRNA分解酵素やRNA連結酵素、さらには機能性のRNAドメインに結合するような因子を系統的に同定しています。最近では特に遺伝暗号の起源や、RNA関連酵素の分子進化の研究に重点をおいています。
また、近年は特に、「生命の起源や進化」に関わる研究に、システム生物学、合成生物学的な研究手法を用いて新たな挑戦をしているところです。
おわりに:
RNA研究プロジェクトは分子生物学的な実験研究に根ざしているために、バイオキャンプを修了した学生を歓迎します。大きな分野としては、理学的な基礎研究(他大学の理学部、理学系大学院に相当)です。グループでは、生命の起源のようなロマンチックなことを毎日のように議論することが可能です。これまで多くの学生が大学院修士、博士課程に進学しています。また、企業の研究職に就職する学生もいます。研究者志望の学生には非常に良い環境を提供できていると思います。我々のプロジェクトを通じて世界的に通用するような概念や理論を発表できたら、この上ない喜びと考えています。
RNA機能解析(先端生命科学)
「先端生命科学系列」の8つの研究会(冨田・内藤・黒田・金井・曽我・荒川・鈴木・辻本)は 合同で運営しています。また大学院のプロジェクト科目(先端生命科学)とも合同に運営しているため、学部生、大学院生そして教員が一緒になって研究を進めます。先端生命科学系列研究会の新規履修希望者は全員まず「システム生物学入門(先端生命科学):冨田勝担当」を履修してください。
詳しい内容は研究会ホームページをご覧ください。http://bio.sfc.keio.ac.jp/
研究内容:
RNA機能解析研究プロジェクトでは遺伝子の情報発現において要となるRNA分子やその調節に関わる酵素などに焦点をあてながら、遺伝子の新しい制御機構を解析するとともに、生物の発生や進化を考察していきます。実験はウイルス、バクテリア、アーキア(古細菌)、線虫、ショウジョウバエからマウス、ヒトにいたるまでの主要な生物種を対象にしています。
具体的にはRNA分子として、マイクロRNA、tRNA、rRNAなどのnon-coding RNA (非翻訳型のRNA)や、mRNA上にある機能性のRNAドメインについて研究を行なっています。また新規のRNA分解酵素やRNA連結酵素、さらには機能性のRNAドメインに結合するような因子を系統的に同定しています。最近では特に遺伝暗号の起源や、RNA関連酵素の分子進化の研究に重点をおいています。
また、近年は特に、「生命の起源や進化」に関わる研究に、システム生物学、合成生物学的な研究手法を用いて新たな挑戦をしているところです。
おわりに:
RNA研究プロジェクトは分子生物学的な実験研究に根ざしているために、バイオキャンプを修了した学生を歓迎します。大きな分野としては、理学的な基礎研究(他大学の理学部、理学系大学院に相当)です。グループでは、生命の起源のようなロマンチックなことを毎日のように議論することが可能です。これまで多くの学生が大学院修士、博士課程に進学しています。また、企業の研究職に就職する学生もいます。研究者志望の学生には非常に良い環境を提供できていると思います。我々のプロジェクトを通じて世界的に通用するような概念や理論を発表できたら、この上ない喜びと考えています。
この授業は、設立当初からキャンパスの環境としてインターネットを試験的に運用し、情報社会への大きな貢献をしてきた湘南藤沢キャンパスにおいて、次の世代の情報社会を構築するために必要な理念、技術、社会制度、マーケットなどを学ぶことを目的としている。我が国のインターネットの歴史を紐解く上で、湘南藤沢キャンパス(SFC)は重要な役割を担ってきた。特に、インターネットをキャンパスライフに組み込んで、あらゆることを社会に先駆けて経験してきたことは、現代の情報社会の形成と発展に対する大きな貢献であった。SFCとインターネットとの関わりが、日本のインターネット発展の系譜なのである。
当初はコンピュータ同士を繋ぐテクノロジーであったインターネットは、Web,スマートフォン, そしてIoTなどの登場により、すべての分野のインフラとなった。インターネットは現在、「接続するモノ」と「接続する方法」両面に対する多様性と「地球全体をカバーする」規模に対する許容性、そして「個人のチカラ」を社会的に発揮できる基盤性を持つ。誰でも、どこでも、いつでも、インターネットが使え、ひとりひとりの想いと力が尊重される社会を創るためには、洗練された技術、優れた制度、自由な発想、先端的なセンス、そして、やりとげる根性を持ち合わせていなければならない。「次の社会は私が創る」「次の世代のためのインフラは俺にまかせろ」という気持ちで履修してほしい。
本授業では、住民、自治体、NPO、企業など、地域の多彩な主体によって取り組まれている各地のまちづくりの最新動向を紹介し、成功要因、課題を明らかにした上で、その意義、可能性について議論します。また、まちづくりにおいて大切なポイントとなる、多様な主体間の協働を実現し、資源をいかし、地域の問題解決を果たすための具体的方策についても検討を行います。まちづくりの実践、地域活性化政策などに関心のある全ての学生を対象とします。秋学期の本授業では、まちづくりのソフト面を中心に取り上げます。 授業では、プラットフォーム、ネットワーク、信頼、地域社会学などに関する理論を整理し、観光、農業、商店街、ひとづくり、伝統産業、地方創生などをテーマとする先進的なまちづくりの事例研究を行います。また実践知を育むために、一方的な講義だけでなく、まちづくりの分野で全国的に活躍されているゲストによる講演やケースディスカッションも適宜取り入れます。 最終成果として、地域の問題解決に関するレポートを作成してもらうことを検討しています。
もの・サービスがあふれる今日もの・サービスだけを提供する従来のビジネスモデルに代わり、例えばappleのSteve Jobsが創業時より追い求めた「人を幸せにする」ことを具現化するシステムとしてのビジネスモデルが要求されるようになった。また、IoTの驚くほどのスピードでの社会浸透に伴い、個益と公益がシームレスに繋がる社会システムの実現が可能となりつつある。
日本の医療現場は、個と公のバランスの取れた強固な財政基盤の上に成立し、常に最新の技術を取り入れ、個益としての最良の治療環境を提供し、世界一の長寿国という公益を実現し世界から注目されている。
医療現場では臨床医達が最良の治療環境という個益(Value)を提供しようと、日夜イノベーション思考をフル稼働させ未来への希望を提供し続けている。ただし、臨床医は常に目の前の患者が希望を託す未来とは何かを正確に理解しておく必要があり、それを突き詰めればSOL (Sanctity of Life 生命の尊厳)かQOL(Quality of Life 人生の質)かの選択に行き着く。
本授業では、理想的な未来とは何かを全てのセッションを通じての基本テーマとして討論を続け、明確な未来像を各自が描ける様にし、それを基準に現在社会の抱える課題を探し出し、それを解決しながら理想の未来を作り上げる構想を組み立てて行く。
このプロセスを通じ、問題解決に必要なスキルを身につける為に、生活・健康・医療に関連する複数の社会的プロジェクトを参考事例としながら、現実社会を自分の目で見据えた具体的な提案をしてもらう。
【Brexit(英国のEU離脱)から考える英国、欧州、世界】
2016年6月の国民投票で英国民はEU離脱を選択した。その後、EU離脱をめぐって英国政治は大きく揺れ、迷走を続けたものの、2020年1月末に離脱が実現し、同年末までの移行期間が開始された。その間、EUと英国は移行期間終了後の関係構築の交渉に入ったが交渉は難航し、「合意なき」移行期間終了が懸念された。移行期間終了を1週間後に控えた2020年12月24日、EU・英国交渉は妥結に至り、貿易・協力協定(TCA)が締結された。柱となるのはFTA(自由貿易協定)だが、内容的には限定的なもので、いわゆる「ハードBrexit」を体現するものとなった。
一連の過程において、Brexitをめぐる諸問題が明らかになった。そこでこの講義では、Brexitをさまざまな観点から改めて問い直すことにしたい。例えば、国際秩序の動揺、ポピュリズム、グローバリゼーションから取り残された人々(経済格差)、欧州安全保障の行方、EU統合の本質、国民投票に関する諸問題、離脱後のイギリス外交(「グローバル・ブリテン」)、日英関係などを取り上げる。Brexitをイギリスの問題としてのみならず、EU、さらには世界(国際秩序)の問題として考えたい。
本講義は、欧州地域の地域研究を戦略的トピックに特化した形で進めていくことを目的としている。ただし、担当者の専門は旧ソ連・CISであるため、授業の内容も旧ソ連・CIS及びそれらと欧州との関係が中心となることを予めご留意いただきたい。授業は担当者による講義、ディスカッション、個人報告等で進めていく予定であるが、一方的な講義は極力しない予定なので、積極的参加が求められる。履修者の研究内容や関心に沿う形で授業を再構成していきたいので、初回の授業で履修者の関心を聞き、それらを授業に盛り込むとともに、日々の新しい動きについても、授業で扱っていきたいので、授業内容は臨機応変に調整してゆきたいと考えている。現在をよりリアルに理解し考えることができる、生きた授業とする予定だ。
本講義のように地域を扱う「地域研究」は、まさに総合政策学であり、地域研究を行うためには、当該地域の政治、経済、国際関係、歴史、民族、社会、宗教、紛争、環境問題、エネルギー問題などを総合的に考える必要がある。旧ソ連・CISは、数多くの問題をはらむ地域であり、特に紛争、エネルギー問題、民主化・言論の自由・人権などの問題、環境問題、武器問題などでは常に欧州との軋轢がある一方、欧州の中にはロシアにエネルギーを依存しているために、ロシアに対して強い立場に立てない国も多い。このような各国の戦略的な思惑が政策のダブルスタンダードを生み、現実に様々な矛盾が生じている。これらの問題をケーススタディに、地域戦略研究のあり方を検討していく。
革新的なアイデアを発想し、遂行するためにはどうすれば良いでしょうか。そのためには、ひとりひとりが「発想する力」と「協働する力」を身につけ、自分なりの「独創と共創の方法論」を開発すること、そしてそれを実際に「試行してみる」ことが必要です。
本授業では、授業前半ではいくつかの課題(未来のテーマ)をもとに、「アイデアを考える技術」と「コラボレーションする技術」の双方を学びます。そして授業中盤から後半では山梨県富士吉田市を念頭に、未来のプロダクト開発・実装、持続可能な事業モデルの構築に挑戦することを計画しています。一過性のスキルやフレームワークの修得を超えた【発想体質化】、【創造性の土壌を育むこと】、【未来の事業モデルの創出】を目指します。
本講義の目的は、国際社会の多様性を理解するために必要な比較政治学に関する概念や理論の修得をめざす。
このクラスでは、多言語比較とそこからの一般化をめざす、言語類型論の基礎と応用について考えます。世界には多くの言語があり、興味深い多様性を示しますが、そのバリエーションはランダムではなく、 一定の法則性がこれまで明らかになっています。この授業では、言語類型論の知見を生かしながら、言語の構造、機能、発達について考えていきます。特に、構文知識に焦点を当てて、さまざまな言語でのコミュニケーションを行うさいに、どのような知識・方略が動員されているのかを考えていきます。
オーラル・ヒストリー―「聞く力」で未知を拓く―
この研究会のテーマは「聞く」こと、もしくは「聴く」ことです。これまで研究の材料とされてきた文字資料や数字のデータは、どこか硬く、乾いていて、物足りなく感じたことがないでしょうか。とりわけ人を相手とする研究では、人の温度を感じるようなものが欲しくなるのは至極あたりまえのことに思えます。そこで「語る」「聞く」という。とても単純でありながらコミュニケーションを基調とした実感のある作業を通じて、研究を、そして未知を切り拓くことを考え、実践していく研究会をはじめました。
日本政治外交研究(JPD)ベーシック&アドバンスト―日本政治外交を自分のことばで論じる
私たちは、自分たちが住むこの国のことをどれだけ理解できているでしょうか。「世界が民主主義の困難に直面するなか、なぜ日本の政治は安定しているのか」。各国の政治学者、日本研究者と交流するなかで、よく聞かれる質問です。1993年以後の「失われた20年」、そして2009年、2012年の二度の政権交代を経て、日本政治のすがたは大きく変わりました。もっとも、課題は山積しています。これを内在的に理解し発信することが求められているといえる。世界各地で「民主主義の困難」が叫ばれるなか、わたしたちは日本政治からなにを学び、どう変え、どのように発信していくことができるのでしょうか。
こうして日本の政治外交(近代・現代)のすがたを考えるとき、そこには当然にして必要となる基礎的な知識と構造への理解があります。しかし、そうした知的基盤はどれだけ共有されているでしょうか。必要な基礎がおざなりでは、せっかくの創造も根なし台なしになりかねません。借りものの理解や都合のよいデータではなく、自分自身の頭で考え、判断するための足場、スタンスを獲得することが必要なことはいうまでもありません。
そこで、この研究会では日本の政治外交を題材に、そこに現れる問題の構造を体系的に理解することを目標とする。経緯、制度、人物を切り口として、政治学・歴史学のすぐれたテキストを材料に議論をおこない、自らの考える基盤をつかむ。そのうえで、体系的な理解に基づいた分析と発信を行うための演習を重ね、日本の政治外交を自分のことばで考え、論じるためのベースを作り上げていきます。
オーラル・ヒストリー―「聞く力」で未知を拓く―
この研究会のテーマは「聞く」こと、もしくは「聴く」ことです。これまで研究の材料とされてきた文字資料や数字のデータは、どこか硬く、乾いていて、物足りなく感じたことがないでしょうか。とりわけ人を相手とする研究では、人の温度を感じるようなものが欲しくなるのは至極あたりまえのことに思えます。そこで「語る」「聞く」という。とても単純でありながらコミュニケーションを基調とした実感のある作業を通じて、研究を、そして未知を切り拓くことを考え、実践していく研究会をはじめました。
日本政治外交研究(JPD)ベーシック&アドバンスト―日本政治外交をよみやぶる
私たちは、自分たちが住むこの国のことをどれだけ理解できているでしょうか。「世界が民主主義の困難に直面するなか、なぜ日本の政治は安定しているのか」。各国の政治学者、日本研究者と交流するなかで、よく聞かれる質問です。1993年以後の「失われた20年」、そして2009年、2012年の二度の政権交代を経て、日本政治のすがたは大きく変わりました。もっとも、課題は山積しています。これを内在的に理解し発信することが求められているといえる。世界各地で「民主主義の困難」が叫ばれるなか、わたしたちは日本政治からなにを学び、どう変え、どのように発信していくことができるのでしょうか。
こうして日本の政治外交(近代・現代)のすがたを考えるとき、そこには当然にして必要となる基礎的な知識と構造への理解があります。しかし、そうした知的基盤はどれだけ共有されているでしょうか。必要な基礎がおざなりでは、せっかくの創造も根なし台なしになりかねません。借りものの理解や都合のよいデータではなく、自分自身の頭で考え、判断するための足場、スタンスを獲得することが必要なことはいうまでもありません。
そこで、この研究会では日本の政治外交を題材に、そこに現れる問題の構造を体系的に理解することを目標とする。経緯、制度、人物を切り口として、政治学・歴史学のすぐれたテキストを材料に議論をおこない、自らの考える基盤をつかむ。そのうえで、体系的な理解に基づいた分析と発信を行うための演習を重ね、日本の政治外交を自分のことばで考え、論じるためのベースを作り上げていきます。
健康の社会的決定要因への取り組み
健康の社会的要因(Social Determinants of Health=SDH)とは、個人や集団の健康状態に違いをもたらす様々な社会的・経済的な状況のことである。SDHのエビデンスが次々と示される中、様々な生きづらさを抱える人々に目を向け、社会的ストレス等を含め彼らが抱える課題を解決することが以前にも増して求められている。この研究会では、人が健やかで幸せな状態(Wellbeing)になれるためのコミュニティのあり方を考えたり、包摂社会(inclusive society)の実現に向けた実践を志向する人が、切磋琢磨しながら議論する場である。
このシラバスを書いている時点では、2021年度秋学期に課外活動ができるか見通しが立たない部分もあるが、履修者が関心あるテーマについてグループ毎に議論を深めながら可能であればフィールドに出ることも検討している。
これまでの研究会では、具体的な課題例として、メンタルヘルス、性とジェンダー、終末期のあり方、子育てをめぐる課題といったテーマで、グループに分かれて課題を深堀りした。
このテーマ以外にも、ポストコロナ社会においてのコミュニティのあり方やつながり方を考えたい人や、地域、学校、職場におけるこれからのヘルスプロモーション活動、アートを通した健康への仕掛けづくり、楽しく学べる健康教育プログラムや教材の作成、地域の居場所づくり等への関心がある方も歓迎する。
老若男女、健康な人も病める人も、障害のある人もない人も、あらゆる人が健やかに暮らせる包摂社会を志向する人、仲間と何かを作り上げたい人、自分のスキルを世の中に生かしたい人といった多様な人材を歓迎する。
ヘルスコミュニケーションの理論と実践
秋山研究会は、人とコミュニティに着目し、様々な社会科学的アプローチを融合し、ヘルスケアを取り巻く様々な問題を解決するための研究を行う場である。中でも、この「ヘルスコミュニケーションの理論と実践」は、人々の健康にインパクトを与えうる様々な働きかけの理論と方法である「ヘルスコミュニケーション」について学んでいく。
人々がより健康に生きる、その手段としてのコミュニケーションは、各国で社会的な要請に応えるかたちで、新しいメディアや手法も効果的に取り入れながら、ダイナミックに発展し続けてきた。たとえば今日、深刻な健康課題を抱えている人の多くは、社会的・経済的・環境的な複数の課題を抱えていることが多い。そうした健康課題を解決するには、本人に正しい知識(エビデンス)を伝えるだけでは不十分で、当事者をとりまく周囲の人々への働きかけをしたり、さらには社会的な環境を変えていくために政策担当者等のステークホルダーに対しても問題の重要性を訴えることも必要となる。
研究会では、健康・医療のコミュニケーションを効果的に行うための基本的な理論と概念、さらに実践を研究として結実させる方法を実例とともに学ぶ。社会において顕著なヘルスコミュニケーションの実践をしている外部講師も予定している。医療および公衆衛生、健康・医療政策に関心があり、人々の健康の問題を多様なアクターとともに理解し協働して解決する戦略、スキル、方法、アプローチを学びたい意欲ある者を歓迎する。
ヒューマンパフォーマンス
本研究会は、人間の様々な行動(≒パフォーマンス)を対象に、心理的および身体的な側面か ら、各種手法を用いて実験的に検証することを目的とします。
2050年の世界秩序を洞察する—企業、市場、国家の融解と再構築
月曜5限にSFCもしくは日によってオンラインで開講します。
○この研究会の目的は、履修者が卒業後に困難な課題を解決していくためのスキル(HOW)の育成に特化します。
〇具体的にどういうスキルを磨くのか?
①表面的な事件や問題の背後によこたわる本当の課題を見抜く洞察力 ②社会的な課題を解決する分析力、③個人や集団の活動を社会変革のうねりに増幅する力(発信力、交渉力)等です。より具体的には、フィールドワーク、インタビュー、速読、レポートライティング、グループ討議、プレゼン(資料作成、説明・発表)等の実践スキルの醸成と脳の筋トレです。これらを通じて改革とイノベーションを率いる課題解決能力を醸成します。
○進め方:グループワークと毎週の輪読の二本立てで取り組みます。輪読は毎週1冊のペースで各学期のテーマに関する名著や素養となる文献を幅広く読み、各人がミニレポートを書いてきます。それをもとに毎週の授業ではチームで討議、さらにそれに基づくクラス討議を行います。これらの積み重ねを経て各人レベルで定見を養います。なおグループワークについては学期末にOBOGや研究者に向けた研究成果の発表を行います。
〇どういう本を読むのか
広く文明論、世界史、地政学からテクノロジーまで視座を広げて古典を含む名著を選び、洞察の射程を広くとります。分野的には約10冊は全員共通文献として読み(履修予定者と相談して選択)、残りはグルワでカバーします。
参考1:過去の本研究会のテーマ
この研究会ではこれまで社会思想史の本を主に読んできました。すなわち、ギリシャ、近代啓蒙主義の政治思想、社会思想、比較文明論、歴史、経済史、社会学、心理学、国際関係などです。なお純粋哲学書は読みません。あくまで現実の世の中はどうなっているのか、どうなるのかを探求する書籍を選んできました。例えばこれまでにはロック(「市民政府論」)、アダム・スミス(「国富論」)、ルソー(「人間不平等起源論」)、ハンナ・アレント(「人間の条件」)、JSミル(「自由論」)、プラトン、アリストテレス、カント、ヘーゲルなどを読みました。 なお時折、最近の名著(「暴走する資本主義」「コミュニティを問い直す」等)も読みます。日本論や昭和史の本、東洋史、東洋哲学も読みます。例えば老荘思想、儒学、内藤湖南、網野義彦、宮本常一、等の本です。なお一部を抜粋してよむときもあります。
参考2:2019年春学期のテーマ(過去のシラバスの抜粋より)
この期では人類が歴史の中で培ってきた「戦略」「組織」「財務」「デザイン」の4つについてその発展の歴史を掘り下げました。①「戦略」:戦略は現代では企業経営を意味することが多いですが、もとは軍事から育まれたサイエンスです。授業ではギリシャ・ローマの古典(キケロ、シーザー等)、孫氏の兵法、三国志などを手がかりに古代の戦略をみたのち、マキアベリ、クラウゼビッツ等の軍事外交哲学を学んだうえで近代の経営学の名著をカバーし(ドラッカー等)現代の企業や国家における戦略論に何を学ぶかを考えました。②「組織」:組織論は戦略論の実行の際に欠かせない理論ですが、主に近代において化石燃料と工業、近代兵器、官僚制を背景に発展しました。ここではカーネギー、テイラー等の近代組織論、マックスウエーバーの官僚制やプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神、石田梅岩、近江商人哲学、フランクリン自伝、二宮尊徳等の経営倫理にまで射程を広げ、組織の成員の力をどう引き出すか、先人たちが考えてきた組織論と経営哲学を学びました。③「財務」:戦略と組織を最高の状態に保つには兵站機能、すなわち、資材の調達・運送・保管、資金の調達と管理、経理、会計、簿記などが不可欠です。これらの”ソフトインフラ”の元で株式市場や会社制度、あるいは政府の予算、財政、金融、監査、業績評価、標準化などが機能しています。こうしたソフトインフラは今やITサービス化されモジュール化されつつあります。今期はこれらがどのように生まれ、どこに知恵が埋め込まれているのかを探ります。特に株式会社の起源、複式簿記の誕生、会計監査の限界、標準化(度量衡、技術基準など)の戦略的意義等も考えました。④「デザイン」:現代の先端経営のキーワードはDX(デジタルトランスフォーメーション)とSD(サービスデザイン)といわれています。企業と世の中の営みのデジタル化に伴って、従来アナログに行われてきた各種のデザインが変質しつつあります。あるいはサイエンスだけでなくデザインが経営の差別化要素として生かされ始めています。経営者も芸術や文化へのリテラシーと感度を上げる時代になりました。授業ではその背景と展望を探りました。